病期・ステージの判定から治療方針が決定するまでのプロセスはどのようになっているのか?
2021年10月12日 10時33分
がん治療の方針はがんのステージ・病期や患者さまの体調や状態を基本にして検討されてゆきます。
最近では系統的に作成された診断ガイドラインを参考にして治療方針が検討されるケースも多くなっています。
その目的としては特定の病状の患者さまに関して適切な診断上の判断を行うことをサポートすることです。
診察ガイドラインは、その状態にある患者さまに一般的にどのような治療があるのかを対応しています。
「フローチャート」だったり「アルゴリズム」になっていることもあります。
最終的な治療方針は、がん患者さまの希望・年齢・全身状態などのファクターを考慮します。
担当医としっかりと相談しながら治療方針は決められます。
- 治療方法はステージ・病期によって大きく変わることがあります
がんの治療方法は大きくわけて二つに区分されます。
1番目は「局所療法」で2番目は「全身療法」です。
局所療法はがんがある場所に対して治療をする外科的手術や放射線治療になります。
全身療法は全身に広がったがんに対して治療する抗がん剤治療を代表とする薬物療法です。
局所療法は治療をした部位に関してはがん細胞を取りのぞくことができます。
高い治療効果が期待できます。ですが、がん治療の範囲の外側にある場合は治療ができません。
その部分は引き続き体の内部にとどまります。
全身療法は点滴を使った抗がん剤治療によって、体の隅々まで治療をすることができます。
ですががんを根絶するまでの治療効果は現在医学では限界があります。
具体例として、胃がんの病期・ステージと治療法について説明します。
ステージI期の胃がんの一部では内視鏡治療があります。
内視鏡治療は手術と同等の効果がありますから、体の負担がより少ない内視鏡治療は積極的に取り入れられます。
ステージIII期までのがんでは、標準治療が手術を中心とした治療です。
まずは手術をすることが検討されます。
手術をするときに、患部のがん周辺のリンパ節について「術中迅速病理診断」を行います。
これによってがんの広がりを調べることができます。
リンパ節へがん細胞が広がっているかどうかで病期・ステージが異なります。
がん細胞が広がっていなければ、少ない範囲で切除することができます。
ステージIV期の胃がんは一般的に化学療法がされます。
症状に応じて患者さまの体への負担ができるだけ少ない副作用がない治療をされます。
進行したがんによって生じる痛みやだるさの症状を緩和するケアや治療を重点的に行います。
- いかがでしたでしょうか?
単独でされることもありますし、組み合わせて行うことがあります。
臨床現場では、個々の患者さまにベストな治療法が検討されているのです。